中国・北朝鮮脅威論を口実にした軍備増強を許すな!


 『戦争させない1000人委員会・群馬』学習会が9月18日、群馬県教育会館で開催された。
 冒頭、主催者を代表してあいさつに立った角田義一共同代表は「米中の戦争は絶対避けなければならない。台湾有事に巻き込まれれば日本は壊滅する。平和的に解決するよう訴える政権を作らなければならない。野党統一候補で政権交代を目指そう」と述べた。
 講演に移り元東京新聞論説委員で防衛ジャーナリストの半田滋氏から「敵基地攻撃と日米一体化~踏み越える専守防衛~」と題して講演を受けた。

 安倍政権から菅政権ではイージスアショアの代替システムや敵基地攻撃システムの検討が行われてきた。相手国の壊滅的破壊のための攻撃的兵器は憲法上持つことはできない。しかし、防衛大綱の改正で大陸間弾道ミサイルや長距離戦略爆撃機、護衛艦「いずも」の空母化などを保有している。今後、アメリカが主導する統合防空ミサイル防衛構想(IAMD)=ミサイル防衛、基地攻撃計画に参画する。
 湾岸戦争時、米軍でさえイラク軍すべての発射機を破壊できなかった。到底日本の自衛隊にできるものではなく、敵基地攻撃能力の保有に意味はない。
 2016年8月、安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を打ち出し、経済圏の拡大を進めるとしたが、本当の目的は安全保障面での協力で中国のインド洋や南シナ海における軍事拠点化(一路一帯構想)を牽制すること。
 海上自衛隊は2017年から米印共同訓練(マラバール)に参加しており、2018年からは南シナ海やインド洋で訓練が行われている。専守防衛といえるものではなく潜水艦を派遣し、相手艦を発見する訓練。

 中国は2019年1月、台湾統一に向けた方針の中で「武力の使用は放棄しない」と明言。台湾の防空識別圏に戦闘機を進入させるなど動きが活発化している。
 アメリカは台湾に対する中国の姿勢を批判し、中国の軍備増強を懸念している。すでに西太平洋地域では米軍の戦力を上回っており、米軍も新型ミサイルの開発に取り組んでいる。この新型ミサイルを日本・韓国・台湾に配備しようとしている。 台湾は中国、韓国は北朝鮮との関係悪化を招きかねないことから拒否するかもしれないが、日本は日米安保に基づき受け入れざるを得ず、沖縄への配備が濃厚。そうなればさらに日中関係が悪化する。
 米軍の新たな作戦構想=遠征前方基地作戦(EABO)は、制海権を確保し中国の海洋進出を食い止めるため分散した小規模の部隊で要衝となる離島を占拠し、戦闘機の出撃拠点や給油拠点として活用する。それに伴い沖縄に海兵沿岸部隊=EABO実行部隊など新たな部隊を構成し、キャンプシュワブやキャンプ・ハンセンの部隊が転換される。

 米中対立が進む南シナ海に海上自衛隊が出て行けば、まさに圏かを買って出る行為。日米関係はより濃密になる。アメリカの軍事力が弱まると日本は集団的自衛権を行使し、自衛隊が参戦することになる。何としても米中の開戦を回避しなければならず、日本政府は両国に対して平和的解決を訴えなければならない。そのためにも政権交代を勝ち取ることが重要・・。
と話された。

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